しかしこれは広大な大地を相手にしたランドスケープアートのようなプロジェクトではない
僕のやりたいのは、ミニチュワの世界の中に見るような手のひらの中に風景を見る。ような事だ
これは、ただ単に気になる風景をミニチュワとするのではなく
‘地の記憶(歴史)を掘り起こし、そこに新しい意味の世界を付与する‘
そして
‘その世界を通して、世の中の事象について想像をめぐらす‘
それが僕の風景彫刻における意味だ
風景と一言に言っても、様々な風景がある。
自然なのか、あるワンシーンなのか、遠いのか、近いのか、
現実の空間の眼に見える要素はものすごくたくさんある。
おそらく人はその眼に見える要素全てを把握しているわけではない
これは見慣れた自分の部屋であってもそうだ
その一つ一つの要素を分解し、考察する事によって、きっと今まで気づかなかったような事柄が見えてくるはずだ。
そこから要素の選択をし、再構築する。
きっとその風景に隠された。いや見えていなかった「何か」が見えてくるはずだ
こーして文章にまとめてみると、僕の風景彫刻というのはまるで探偵みたいだ
そーいえば中学の頃、道端に落ちているゴミとかを見て、そのささいな情報からそのゴミがその場所にいたるまでを推理?して考えるという一人遊びをずっとしていた
その一人遊びを彫刻という世界の中でやりたいのかもしれない
これはもう「推理彫刻」とでも呼ぶべきだろうか